

数百種類とも言われるPOLARTEC社のファブリックの中でも、“行動できる保温着”として最高峰クラスに位置付けられるPOLARTEC ALPHA。
今回のコラボレーションでは、全3型このPOLARTEC ALPHAを採用しています。
“Alpha”とは本来、米軍特殊行動部隊のコードネーム。
以前より米軍ではインサレーション素材として、ダウンの代わりに化繊中綿を使用していました。
しかしながら中の繊維が外へ噴き出さないよう、高密度の表地/裏地を使用しなければならないという特性上素材の通気性が非常に低く、”持久力”を必要とする米軍にとっては致命的なデメリットに。
そこで開発されたのが、このPOLARTEC ALPHAです。
化繊中綿と同様の軽量性/圧縮性/速乾性/保温性であるにも関わらず、衣類内にこもった余分な熱や汗による蒸れを外に逃がし、衣服内を常に快適な状態を保つのが、この素材の大きな特徴です。
ここまでならさほど珍しくないですが、それを丸ごと製品染め。
繊維が非常に細く、一般的なフリース素材以上に加工温度調節が難しいとされているPOLARTEC ALPHAへの製品染めは、STONEMASTERが世界で初めて商品化に成功しました。
贅沢にもそんな最高峰素材を用いたのが今回のコラボレーションです。
デザインのサンプリングソースは、イギリスの伝統的なフィッシャーマンウェア。
スモックと言えばプルオーバーが主流ですが、着脱しやすいようにスナップボタンでのフルオープン仕様に変更。更に防寒性を高めるため、取り外し可能のフードを付けました。
コートのような使い方を視野に、着丈はやや長めに設定。“ON”としての着用、つまりジャケットの上からも羽織れるボリューム感です。
必要に応じてウエストのストリングを用いることで、全体のシルエットに変化を加えることもできます。
ミリタリーのような空気感に、90年代のアウトドアウェアのようなデザインが加わり、唯一無二の1着が完成しました。
POLARTEC ALPHAを用いたコート、そうそうないと思います。
※初期のデザインスケッチ
この春のコラボレーションで大変ご好評いただいた、コーチジャケット型。
気分である短丈のジャケットにPOLARTEC ALPHAを搭載するという、一つの念願だったようなアイテムが完成しました。
アウトドアウェアにおけるフロント(前側)は、雨風を完璧に凌ぐといったフィールドギアとしての観点などからフルジップが一般的ですが、街着として考えればスナップボタンでも十二分に機能的。
マットな質感のメタルボタンをあしらえ完成させました。
マチ付きのフロントポケットは横からも手を入れることができます。手を温めるハンドウォーマー的な役割も。
裾にはドローコードも完備してますので、必要に応じて着丈を短くしながら、お好きなスタイルで着用することができます。
※初期のデザインスケッチ
STONEMASTERにパンツは欠かせません。
というよりクライミングカルチャーとファッションを近づけたのは、間違いなくウェアではなくパンツです。
ということで、今回もパンツを作らせていただきました。
シルエットは、ややゆったりとしたお尻周りから裾に掛けてテーパードの効いたお馴染みの形。
インラインモデルと異なるのは、裾にドローコードが付随する点です。
これにより全体の雰囲気に変化をつけることができるだけでなく、自転車の乗車時など裾の開きが煩わしい時にも活躍します。
ウェアと比べて、とにかく選択肢の少ないのが”暖かいパンツ”。シルエットまで拘ると、その少ない選択肢は更に狭まります。
真冬も履けるシルエット抜群のパンツ。この冬はこれで決まりです。
※初期のデザインスケッチ