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KUON×TAGS WKGPTY

ときを経て、同級生によるコラボレーションが実現
KUON×TAGS WKGPTYの1st collection「Stay Gold」

若い頃に知り合った人々と夢を叶えたり、新しく何かを形作るのは、そう簡単ではありません。しかし、ときを経てさまざまな要素が巡り合い、作り出された物には唯一無二のストーリーが存在し、多くの人々を魅了します。今回は、青春時代を共に過ごしながら20年近くのときを経て、コラボレーションを実現した「KUON×TAGS WKGPTY」にクローズアップ。KUONのデザイナーである石橋真一郎氏に、2つのブランドの関係性からコラボに至った経緯などを伺います。

「ジャポニズム」を軸に据えるKUONとグラフィックを操り表現するTAGS WKGPTYのコラボ

刺し子に藍染、泥染、現代では“BORO(ボロ)”と名付けられ、江戸時代から戦後まで使われていた布など、日本古来の素材と技法をモダンに取り入れ、そのサスティナブルな物作りで注目が集まるKUON(クオン)と、解放的なアート性や鋭いメッセージ性をグラフィティーに載せて表現するTAGS WKGPTY(タグスワーキングパーティー)。

独自のスタンスを貫きながら、国内外のファッションシーンから注目を集める2つのブランドですが、実はそれぞれのデザイナーが学生時代に学び舎を共にした同窓生なのです。18年来の友人であるKUONデザイナーの石橋真一郎氏とTAGS WKGPTYデザイナーの森岡喜昭氏が、どのような経緯でコラボレーションに至ったのか。またリリースされるプロダクトなど、気になる裏側について、石橋氏に語っていただきました。

首回りや背面の裾に、製品の状態でグラフィックをプリントすることで、ステッチを跨いで掠れたような表情を持たせたTシャツ。60~70年代のサーファーやスケーターたちにお馴染みの手法がアクセントになっています。また6オンスとヘビーウェイトの生地にタンブラー加工を施し、より目詰まりさせることで肉厚に。1枚でも透けない上、洗濯後の縮みも軽減しています。

自分たちの成熟と世の中の変化の中で
起こった必然とも言える化学反応

― 石橋さんと森岡さんは18年前、文化服装学院で知り合われ、現在は互いにファッション、デザイン、カルチャーをクロスオーバーしながら、それぞれのブランドでモノ作りをされています。そして今回のコラボレーションに至るということですが、その経緯を聞く前に石橋さんのお話を聞かせてください。

石橋真一郎(以下、石橋)「僕は文化服装学に在学中、物作りするときの手法や技術、機能性にとても惹かれ、服作りのルーツに興味がありました。しかし学生時代は誰もがそうだと思うんですが、自分が作りたいモノを理想通りの形にするのはとても難しく、僕も当時は思い通りのモノを作ることが出来ませんでした。
そんな思いを持ちながら、卒業後はテーラーで修行をしたり、パリコレブランドでパタンナーとしての経験を積んだり、フリーのパタンナーとしても活動していました。

そして2016年にKUONを立ち上げたあと、少し時間が空いていたんですが、森岡くんとお互いの展示会を行き来し始めたことをきっかけに、また交流がはじまりました。今では、お互いの近況報告や子育ての相談、いろんな苦労話に加えて、仕事やプライベートまで色々と話すことが出来る友人の1人です」

― 仕事もプライベートも語れる同業者の友人は貴重ですよね。

石橋「そうですね、交流が再開してからよりモノ作りなどについても話すようになったのですが、森岡君は日本のモノ作りの技術やそこに宿る美意識が好きで、それらに対する知識もとても深いんです。というのも、森岡君のご実家は、明治16年から現在も続く老舗の和裁仕立て屋の「きもの仕立て尾張屋」なんです。
日本が誇る、由緒正しい老舗和装仕立て屋で育っており、日本古来の柄や素材などにもとても詳しい。実家には図書館にもないような貴重な書籍があり、僕もそれを見せてもらったことでKUONのイメージソースが生まれたりしています」

深めの股上にゆったりしたヒップ、裾周りにもゆとりを持たせ、リラックスムードを追求したショーツ。シグネイチャーとも言える“WOVEN SONG”のグラフィックを前面にプリントしており、抜け感とスタイリッシュなムードを体現しています。抗菌・抗ウイルス加工DEO FACTOR® Antivirusが施され、衛生面まで配慮されています。

― 学生時代のお二人の縁が今も互いに良い影響を及ぼしているなんて、とても素敵ですね。では今回のコラボレーションに至った経緯について、教えてください。

石橋「僕たちも歳を重ねてきたせいか、最近は自分達の世代が今できることや、コロナ過で変わってきた人と人とのつながりについて話したりするんですよね。

僕も森岡くんもアイデアや技術、素材にプライドをもってモノづくりしてきたところが共通していて、“だったらお互いが経験してきたものを今ここで、共同作業で形にすることで楽しみを見出したいね”という話になりました。それが今回、新たなコラボレーションが生まれた経緯になります」

KUON定番のレザーアジャスター付き、6パネルキャップ。ベーシックなフォルムにシンボリックな“WOVEN SONG”がプリントされ、取り入れるスタイリングにこだわりを発揮します。抗菌・抗ウイルス加工DEO FACTOR® Antivirusが施され、衛生面も配慮しています。

― まさに時が来た、という感じですね。ではプロダクトのお話を伺えますでしょうか?

石橋「はい、今回のテーマは『友、絆、永遠(未来)』。40年近く前に作られた青春映画”The Outsiders”と、スティービー・ワンダーが歌うその映画の主題歌“ステイゴールド”からインスパイアされたコレクションになります。ステイゴールドとは直訳すると“黄金は色褪せない”、いつまでも輝きを失わない、輝き続けろ、という最高のメッセージが込められています。なので、その曲の歌詞をプリントアウトし、それを細かく裁断、経糸と横糸にして織り上げたものをメイングラフィックとし、“WOVEN SONG(ウーブンソング)”と名付けました。
KUONが得意とするテキスタイルと、TAGS WKGPTYが得意とするグラフィックを融合させ『文字を織る』ところに注目してほしいです。

シャツ、Tシャツ、ショーツ、小物を作っており、アイテムのパターンはKUONが担当しています。そしてTAGS WKGPTY が作成したロゴの配置とパターンの関係性などを探りながら、1番良いバランスを追求してモノ作りしたんですが、なんだか学生時代に戻ったような遊び心で取り組めました。
ちなみにショーツ、マスク、キャップのファブリックには抗菌・抗ウイルス加工DEO FACTOR® Antivirusを施してあり、こちらも文化服装学院時代の同級生がハンドリングしてくれています

防疫のために必要不可欠となったマスクも、ファッションアイテムとして選べる時代に。インパクトたっぷりな“WOVEN SONG”のプリントが着こなしをアップデートしてくれます。アジア人の顔の形にフィットする等に設計されており、後頭部で固定する仕様が着用時のストレスを軽減。抗菌・抗ウイルス加工DEO FACTOR® Antivirusが施され、衛生面まで配慮されています。

お二人が若かりし頃に出会い、18年がたった今、機が熟し、実現したという今回のコラボレーション。学生時代の気持ちに戻りながら作られたというプロダクトには、2つのブランドのこだわりやフィロソフィーが随所に込められています。